近年、消費者はオンラインよりも「リアルな接点」や「体験価値」をより重視する傾向にあります。その中で、多くのブランドが再注目しているのが実店舗。ここに、ゲームの仕組みを取り入れる「オフライン・ゲーミフィケーション」が登場し、顧客とのエンゲージメントを高め、ブランド体験をより魅力的なものへと進化させるカギとなっています。
オフライン・ゲーミフィケーションとは？
ゲームのような「チャレンジ」「ポイント」「報酬」「ランキング」などの要素を、リアルな顧客体験に組み込む仕組みです。ただ単に楽しさをプラスするだけでなく、顧客の好奇心を引き出し、体験自体を印象深く、心に残るものに変える力があります。
たとえば…
- 医師が定期検診の促進としてプレゼントを用意
- 学校で生徒のやる気を高めるための競争イベントを実施
- 企業が社員の成果を報酬で評価
このように、ゲーミフィケーションはさまざまな場面で活用されています。
ビジネスへの具体的な効果
リアルな場でのつながりを生み出す力を持つこの仕組みは、今やさまざまなビジネスシーンで活用されています。
ブランド認知とエンゲージメントの強化
ベトナムのデジタル管理プラットフォーム MISA AMIS のレポートによれば、ゲーミフィケーション導入により顧客との接点が47%向上、ブランドへのロイヤルティが22%アップ、認知度も15%高まるという結果が報告されています。
売上やコンバージョン率の向上
例えば、マクドナルドの「モノポリー」キャンペーンでは、2010年10月の米国において、店舗ベースでの売上が5.5%増加。これはゲーム要素を活かした成功例として知られています。
顧客データの獲得
ゲーム感覚のアンケートやプレゼント応募を通じて、自然な形でユーザーからの情報提供を促すことが可能になります。同時に、顧客との関係性も深まります。
社内パフォーマンスとエンゲージメントの向上
AmplifAI の調査では、企業における90%の社員が「ゲーミフィケーションにより業務の効率が上がった」と回答。生産性は平均で1.5倍になり、チーム内の結束力も向上しています。
店舗内の体験最適化
「ガラポン」「ポイント制」「その場でもらえるクーポン」などの仕掛けは、来店客の関心を引きつけ、滞在時間を延ばすとともに、購買行動を促進する有効な手段となります。
実際の導入事例
Muji：店舗でのワークショップ体験
Mujiでは、来店者がオリジナルアイテムをデザインできるワークショップを実施。特別なギフトも提供され、ブランドとの結びつきがより強固に。また、得られた行動データはマーケティング戦略に活用されています。
Flexion Health：リハビリ分野でのゲーミフィケーション
モーションセンサーとゲーム技術を活用し、患者がリハビリをゲーム感覚で行える仕組みを提供。治療コストの最適化（1人あたり平均2,780ドル）に加え、回復率の向上と顧客層の拡大に貢献しています。
NikeFuel：スポーツ×健康×ゲーム
NikeFuelは、ウェアラブルデバイスとアプリ「Nike+」を組み合わせ、日々の運動量をスコア化。ユーザー同士で競い合ったり、達成をシェアしたりと、コミュニティ型の健康体験を提案しました。FuelBandは現在終了しましたが、Nikeにとっては「テック×ライフスタイル」企業への進化を示す大きな一歩でした。
まとめ
このように、ゲーミフィケーションは小売・医療・スポーツなど多様な分野で効果を発揮し、ブランド強化と業績向上の両面で価値を生み出しています。競争の激しい現代において、オフライン・ゲーミフィケーションは、他社との差別化を図り、持続可能な顧客体験を築く重要なカギとなるでしょう。
私たち TriPlayz は、企業ごとの目標や実際のユーザー行動に合わせた最適なゲーミフィケーション戦略を提案しています。もし「他と違う仕掛け」でユーザーに響く体験を作りたいとお考えなら、ぜひ私たちにご相談ください。一緒に「記憶に残る」体験をカタチにしていきましょう。
